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テーマパークキャスト

*テーマパークとしてのキャスト

 1.概要

    そもそもテーマパークとは、「歴史、あるいは架空のキャラクターや企業のイメージなど、あるテーマ に統一してサービスを提供するレジャー施設」のことであり、テーマパークキャストというのはそこで働く人たちのことである。従業員が「キャスト」と呼ばれているのもあるテーマに統一してサービスを提供するテーマパークならではのものであり、勤務中はその世界の住人としての「配役」を務めなくてはならないのである。そこにコスプレ性を感じたので本省ではテーマパークキャストを取扱いたいと思う。

 2.始まり

   「1955年に建設されたアメリカ合衆国のディズニーランドがその原型」であるといわれている。大人と子供が一緒に楽しめるものを、というコンセプトのもと作られた。

 3.心理

   テーマパークでキャストとして働く人たちはどんな動機で働き始め、現在働いているのだろうか。テーマパークでキャストとして働く友人に実際聞いてみた。

友人Nの働くテーマパークではそこで働く、キャストたちはそのテーマパークでの住民であるという設定が設けられているらしく、自分がそこで働いているということをSNS等で漏らすと解雇になるそうだ。Nも勤務中にゲスト(お客さん)から「さっき○○にいましたよね?」と声をかけられたことがあるそうなのだが、「私たちはここの住民ですので、人違いではないでしょうか」と切り返したそうだ。制約や大変なことも多いがともに働くキャストの人柄、普段と違う自分として働くことができることに魅力を感じて働き続けているという。

 

また別のテーマパークで働く友人Yにも話を聞いたが、彼女もまた、その世界を壊さぬように働いているようである。彼女はそこで清掃員のキャストとして働いているのだが、ゲストから「何を掃除しているのか」を尋ねられるケースが度々あるという。その場合、機転を利かせ、自分のいるエリアに沿った回答をしなければならないのである。そして、彼女もまた休みたい日になかなか休めず困っているときもあるが、その世界の中にいられることに幸せを感じ、また共に働くキャストの人柄に魅力を感じ、働き続けているという。

4.まとめ

   テーマパークのテーマを壊さぬように努め、自分もその世界の中に入り込んでいつもとは違う自分になれる。そしてそこにいる自分もその世界を味わうことができるというのがテーマパークで働く人々の心情に共通することであった。また、そこで働くキャストたちは同じような志を抱いて働いているから、楽しく働くことができているのかもしれない。またこのように、現実世界で生活しているのにそこにいる間だけは現実世界とは違う空間になり、自分もその異空間の一部に溶け込んでいるという点でテーマパーク、またそこで働くキャストたちはSF的だと言えるのではないだろうか

筆:山添莉子

 

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